「会社を次世代に引き継ぎたいけれど、株式を譲渡すると多額の税金がかかるのではないか…」
「後継者に資金的な負担をかけず、スムーズに事業承継を進める方法はないのだろうか?」
中小企業の経営者様にとって、事業承継は会社を存続させるための重要なミッションです。中でも「株式譲渡」は事業承継の一般的な手法ですが、やり方を一歩間違えると、思いもよらない多額の税金が発生し、後継者や会社の資金繰りを大きく圧迫してしまうリスクがあります。
この記事では、事業承継における株式譲渡の基本から、発生する税金の種類、そして税負担を実質ゼロにできる「事業承継税制」の仕組みまでを、初心者にも分かりやすく徹底解説します。
北海道の地で70年にわたり数多くの中小企業様をサポートしてきた足立会計事務所が、リアルな失敗事例や最新のDXツールを活用した解決策も交えてお伝えします。ぜひ、自社の大切な事業を未来へ繋ぐための参考にしてください。
1. 事業承継における「株式譲渡」とは?
事業承継において、会社の経営権を後継者に引き継ぐための最も一般的な手法が「株式譲渡」です。
株式会社において、株式の保有割合は経営における発言権そのものです。現経営者が保有している自社株を、親族や従業員などの後継者へ譲り渡すことで、法人の資産や負債、契約関係などをそのままの状態で包括的に引き継ぐことができます。
株式譲渡による事業承継は、事業の土台を崩さずにスムーズなバトンタッチができるという大きなメリットがあります。しかし、その「譲り渡し方」によってかかる税金の種類や金額が大きく変わってくるため、事前の綿密なシミュレーションが欠かせません。
2. 【図解】株式譲渡にかかる税金の種類と課税対象者
自社株を後継者に渡す方法は、大きく分けて「無償で渡す(贈与・相続)」か「有償で渡す(売買)」かの2パターンがあります。誰から誰へ、どのような方法で渡すかによって、以下の表のようにかかる税金が異なります。
| 譲渡の方法 | かかる税金 | 税金を支払う人(課税対象者) | 特徴・注意点 |
|---|---|---|---|
| 生前贈与 (生きている間に無償で渡す) |
贈与税 | 後継者(もらった側) | 税率が高くなりやすいが、タイミングを経営者が選べる。 |
| 相続 (経営者の死亡により引き継ぐ) |
相続税 | 後継者(引き継いだ側) | 贈与税より税率は低いが、いつ発生するか予測できない。 |
| 売却・譲渡 (個人から個人へ有償で売る) |
所得税・住民税 | 現経営者(売った側) | 現経営者に現金が入るが、後継者に株を買い取る資金力が必要。 |
生前贈与の場合(贈与税)
現経営者が生きている間に無償で株式を譲る場合、株式を受け取った後継者に対して「贈与税」がかかります。贈与税は相続税を補完する役割を持つため、一般的に税率が高く設定されています。自社株の評価額が高い優良企業であるほど、多額の贈与税が発生するため注意が必要です。
相続の場合(相続税)
現経営者がお亡くなりになり、遺産として株式を引き継ぐ場合は、後継者に対して「相続税」がかかります。生前贈与に比べると基礎控除額が大きく税率も緩やかですが、承継のタイミングをコントロールできないというデメリットがあります。
有償で売却・譲渡する場合(所得税・法人税)
後継者が現経営者から自社株を「買い取る」場合、株式を売って利益を得た現経営者に対して「所得税(約20%)」がかかります。この方法は後継者に自社株を買い取るだけの十分な資金力が必要となります。
3. 税負担を大幅に軽減!「事業承継税制(特例措置)」とは
「自社株の価値が高すぎて、贈与税や相続税が払えずに事業承継ができない…」
そんな中小企業の悩みを解決するために設けられたのが「事業承継税制」です。
これは、一定の要件を満たすことで、自社株の承継にかかる贈与税や相続税の納税が「猶予(事実上の免除)」されるという非常に強力な制度です。現在、期間限定の「特例措置」が設けられており、これを利用することで本来納めるべき税金が全額(100%)猶予されます。
メリットと適用するための注意点
最大のメリットは、後継者の税負担が実質ゼロになり、事業資金を確保したままスムーズに経営を引き継げる点です。
しかし、この特例措置の適用を受けるためには、都道府県への「特例承継計画」の提出など、厳格な要件と期限が定めされています。
注意点: 提出期限(2026年3月末まで※)に向けた準備が必要です。要件を満たさなくなると、猶予されていた税金を利息(利子税)付きで一括納付しなければならないリスクもあるため、専門家の継続的なサポートが不可欠です。
4. 【足立会計事務所の解決事例】北海道企業の事業承継リアル
制度の仕組みは理解できても、「実際のところ、自分の会社はどうなるの?」と不安に思う方は多いはずです。ここで、足立会計事務所が過去70年の歴史のなかで実際に直面し、解決に導いた「北海道ならではのリアルな事業承継事例」をご紹介します。
【事例1・歴史ある企業】土地高騰による自社株評価の跳ね上がりを防ぐ
相談者: 北海道内で50年以上続く老舗の建設業(現社長は70代)
お悩み: 長年堅実に利益を出してきたことに加え、過去に取得した広大な資材置き場(土地)の価値が近年になって高騰。気がつけば自社株の評価額が跳ね上がり、息子への生前贈与で数千万単位の贈与税がかかると言われ、承継をためらっていた。
【足立会計の解決策】
自社株の評価は、単純な利益だけでなく「会社が持つ資産」も大きく影響します。当事務所では、まず自社株の正確な評価をスピーディーに行い、現状の税制リスクを可視化しました。その上で、「事業承継税制(特例措置)」の申請手続きを全面的にサポート。数千万円の贈与税を100%猶予させることで、後継者である息子様は自己資金を持ち出すことなく、無事に社長就任を果たすことができました。老舗企業が多い北海道特有の「眠っている資産価値の高騰」に迅速に対応したケースです。
【事例2・DX対応】「どんぶり勘定」からの脱却で後継者が安心できる承継を
相談者: 道内の農業法人(創業者から娘婿への承継)
お悩み: 先代社長の長年の勘と手書きの帳簿に頼った「どんぶり勘定」の経営。娘婿は事業を継ぐ意欲はあるものの、「現在の会社の本当の財務状況がわからず、怖くて引き継げない」と承継がストップしていた。
【足立会計の解決策】
事業承継は単なる「株と税金の計算」だけでは終わりません。当事務所では、クラウド会計ソフトを導入し、手書き帳簿から最新のDX化へ一気に移行するサポートを行いました。財務状況をリアルタイムで「見える化」し、将来の税金シミュレーションを明確な数値として後継者に提示。
「これなら自分でも経営状態を把握しながらやっていける」と後継者の不安が払拭され、スムーズな株式譲渡へと繋がりました。事業承継を機に会社のDXを進め、未来の経営環境を整えるのも、私たちの得意とするところです。
5. 事業承継の税金対策で失敗しないためのポイント
事業承継で失敗しないための鉄則は、「とにかく早く動き出し、信頼できる専門家を巻き込むこと」です。
- 自社株の「現在の価値」を正確に知る
まずは、今の株価で譲渡・相続した場合にどれくらいの税金がかかるのかを算定することがスタートラインです。 - 特例制度の期限を逃さない
事業承継税制の特例措置は期限が定められています。「まだ早い」と思っているうちに期限が過ぎ、多額の税金を支払うことになるケースは後を絶ちません。 - 会社の将来を見据えたスキームを描く
税金を減らすことだけを目的にするのではなく、DX化や経営権の分散防止など「後継者が経営しやすい環境」をいかに作るかが成功の鍵です。
6. まとめ:事業承継の税金のお悩みは足立会計事務所へ
この記事では、事業承継における株式譲渡の基本と、かかる税金の種類、そして税負担をゼロにできる特例措置について解説しました。
事業承継は、経営者様が一生をかけて育ててきた会社を未来へ繋ぐ、非常にデリケートで重要な決断です。税金に関する特例は非常に強力ですが、手続きが複雑で要件も厳しいため、ネットの知識だけで自己判断するのは大変危険です。
「うちの会社の場合、税金はいくらかかる?」
「事業承継税制を使えるのか診断してほしい」
「後継者が安心して継げるように、会社の経理をDX化したい」
そんなお悩みは、北海道で70年の支援実績と最新のDXノウハウを持つ足立会計事務所にぜひ一度ご相談ください。経営者様と後継者様の想いに寄り添い、単なる税金計算にとどまらない「未来に向けた最適な事業承継プラン」をご提案いたします。
初回のご相談・シミュレーションはお気軽にお問い合わせください。二人三脚で、大切な会社の未来を守りましょう!